9割が間違ってる!?美肌を叶えるコラーゲン摂取のゴールデンルール
アルベイズ梶原Share

「コラーゲンは美容に良い」と、聞いたことがある人は多いはず。
ドリンク、サプリ、ゼリー、スープなど、様々な形で取り入れている方もいらっしゃることでしょう。
ですが――実はその摂り方、間違っているかもしれません。
「せっかく毎日続けているのに、全然肌が変わらない…」という声もあり、実は「コラーゲンを摂っても意味はない」などとも言われています。
果たしてコラーゲンに効果はあるのか?
“美容効果を引き出す正しいコラーゲン摂取法”を、科学的根拠とともにわかりやすく解説します。
正しい知識を身につけて、効率よく“美肌力”を高めていきましょう!
そもそもコラーゲンってなに?
コラーゲンは、皮膚・骨・関節軟骨・血管など、私たちの体のあらゆる組織に存在するタンパク質の一種。
中でも皮膚の約70%はコラーゲンでできており、ハリや弾力を保つのに欠かせません。
上図の真皮層にコラーゲンは主に含まれています。
しかし、加齢や紫外線(UVA)、酸化ストレスなどの影響で、20代後半から徐々に減少していきます。
その結果、肌のたるみやシワ、たるみといったエイジングサインが現れてきます。
コラーゲンの生化学的役割
コラーゲンは生化学的には3重らせんのばねのような分子構造をしたタンパク質で、組織の弾力を保っています。
また、この三重らせん構造を形成する反応にはビタミンCが必須になります。
なので、ビタミンCが欠乏するとコラーゲンが合成できなくなり、全身の組織が脆くなる壊血病になってしまいます。
生野菜を全く食べないなど極端な食生活をしていない限りは現代日本において壊血病になることはないので、ご安心ください。
落とし穴1:コラーゲンは食べても“そのまま”肌に届かない
よくある誤解のひとつが、「コラーゲンを摂れば、そのまま肌のコラーゲンになる」というもの。
残念ながら、それは間違いです。
コラーゲンは、体内に入ると一度アミノ酸やペプチドという形に分解されます。
このアミノ酸やペプチドが細胞内に取り込まれて再びコラーゲン分子に合成し直されます。
つまり「食べた=そのまま肌に届く」わけではないのです。
ただし、近年の研究では、「コラーゲンペプチド」はある程度コラーゲンの材料としてそのまま使える形でそのまま吸収され、コラーゲン合成に使われることが分かって来ました。
つまり、重要なのは“質”と“吸収されやすい形”で摂ることです。
医療現場でも使われているコラーゲンペプチド
実はコラーゲンペプチドは医療現場でも創傷、褥瘡(床ずれ)、骨折などの治癒を早めるために使われています。
落とし穴2:コラーゲンは塗っても肌には浸透しない
もう一つ、多くの人が陥りがちな間違いがあります。
それは「コラーゲンを肌に塗ると肌のコラーゲンが増える」というものです。
残念ながら、大間違いです。
コラーゲンは非常に分子量の大きなタンパク質なので、肌に直接塗ってもまず浸透しません。
ただのコラーゲンを配合している美容液は肌のコラーゲンを増やしてシワを改善することはありません。
低分子化は無意味?
「低分子コラーゲン配合!」という謳い文句を掲げている美容液を見て、本当に効果あるのかよ?と疑って、調べてみたところエビデンスを見つけました。
Lee YI, Lee SG, Jung I, Suk J, Lee MH, Kim DU, Lee JH. Effect of a Topical Collagen Tripeptide on Antiaging and Inhibition of Glycation of the Skin: A Pilot Study. Int J Mol Sci. 2022 Jan 20;23(3):1101. doi: 10.3390/ijms23031101. PMID: 35163025; PMCID: PMC8835374.
こちらの論文によると
- 加水分解コラーゲン(HC)をリポソームに封入(リポ化)して塗布すると経皮吸収され、真皮層まで到達することが観察された
- ただのHCも浸透はするがリポ化したリポ化加水分解コラーゲン(LHC)の方が浸透率が高かった
- LHCでは線維芽細胞の分裂促進や活性化が確認された
と報告されており、
リポ化した加水分解コラーゲン(LHC)は美肌や創傷治療で有望な成分となるだろう
という結論でした。
通常のコラーゲンではこういった効果は確認されていないようです。
ゴールデンルール①:低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)を選ぶ
市販のサプリやドリンクには様々なコラーゲンが使われていますが、「低分子化(加水分解)されているか」が非常に重要です。
低分子化されていないそのままのコラーゲンでは体内のコラーゲン合成が促進することは確認されていないので、美容効果が得られるかどうかは分からないです。
また、一般に魚類由来のコラーゲンペプチドの方が動物由来のものより、吸収されやすいことも知られています。
▼選ぶポイント
- 低分子化(加水分解)されたコラーゲンか?
- 魚由来のコラーゲンか?
- 直接塗る場合はリポ化されているかどうか?
を基準に選ぶと良いでしょう。
吸収効率の良い製品を選べば、美肌効果が期待できます。
ゴールデンルール②:ビタミンCと一緒に摂る
もうひとつ、絶対に外せないのがビタミンCの存在です。
ビタミンCは、体内でコラーゲンを合成するために必要な“補酵素”。
これが不足していると、せっかく低分子コラーゲンを摂ってもうまく合成されません。
▼具体的な工夫
「コラーゲン × ビタミンC」は、美肌づくりの最強タッグです。
ゴールデンルール③:成長因子を補いながら摂る
コラーゲンを始めエラスチンやヒアルロン酸などのハリ分子は線維芽細胞という細胞が生産しています。
そのため、コラーゲンの材料となるペプチドがあったとしても線維芽細胞が頑張ってくれないと、コラーゲンは増えません。
この線維芽細胞を活性化させるのが成長因子の一種であるFGF(線維芽細胞成長因子)です。
ちなみに、FGFはアルベイズ・リベレイトローションに配合されているヒト幹細胞培養上清液に多く含まれています。
ゴールデンルール④:毎日コツコツ続ける
コラーゲンは一度摂ったからといってすぐに肌が変わるものではありません。
個人差はありますが、効果を実感するまでに1〜3ヶ月はかかると言われています。
また、は“体内に貯めておけない”栄養素。
だからこそ、毎日継続して摂ることが大切です。
▼おすすめのタイミング
- 就寝前(成長ホルモンが分泌される時間帯)
- 空腹時(吸収率が上がる)
- 朝のルーティンに組み込む(習慣化しやすい)
ゴールデンルール⑤:糖化と紫外線を防ぐ
コラーゲンの摂取だけでは、コラーゲンの量はなかなか増えません。
実は、体内のコラーゲンを破壊してしまう2大要因があります。
1. 糖化(AGEsの蓄積)
糖分の摂りすぎは、糖とタンパク質(=コラーゲン)が結びつく“糖化(メイラード反応)”という反応を起こします。
これによって生成されるAGEs(最終糖化産物)は、コラーゲンを硬く・脆く変化させてしまいます。
⇒糖質を控えめにする、血糖値を急激に上げない食べ方を心がけることが重要
2. 紫外線ダメージ
紫外線を浴びると、一部のコラーゲンが壊れて機能しなくなります。
このため機能しないコラーゲンを分解するため肌内部のコラーゲン線維を分解する酵素(MMP)が活性化します。
この酵素は正常なコラーゲンも一緒に分解してしまうのでコラーゲンの減少につながります。
そして、最終的にはシワやたるみの原因になります。
紫外線対策についてはこちらの記事を参考にされてください。
まとめ:正しく摂れば、コラーゲンは美肌の味方になる
「コラーゲンを摂っても意味がない」という意見も一部ありますが、それは誤解。
“正しい方法”で取り入れれば、肌のハリや弾力のサポートにしっかり役立ちます。
もう一度、ゴールデンルールをおさらいしましょう:
- 低分子コラーゲンを選ぶ
- ビタミンCと一緒に摂る
- 成長因子を補いながら摂る
- 毎日コツコツ継続する
- 糖化と紫外線を防ぐ生活を意識する
「なんとなく」で摂っていた人は、ぜひ今日から見直してみてください。
最後にコラーゲンだけじゃない重要なこと
上でお話してきた通り、コラーゲンはタンパク質ですが、肌を構成している生体分子のほとんどはタンパク質です。
なので、コラーゲンに限らず、タンパク質全般が不足しないように気をつけることが美容では大事です。
1日に必要な量のタンパク質は以外と多いので、不足している方が多いようです。
コラーゲンペプチドを摂れば、コラーゲンだけでなく他のタンパク質の材料にも使えるので、コラーゲンペプチドはコラーゲンの増加以外にも有効だと考えられます。
体の内側からのケアは目に見える結果が出るまで時間がかかりますが、加齢に負けない美肌を手に入れるためには必須です。
日頃から意識してみてください。