ムコ多糖の役割と美容効果
アルベイズ梶原Share

こんにちは。
アルベイズ梶原です。
今回は美容のお話でよく出てくるムコ多糖について解説していきます。
ムコ多糖とは?
ムコ多糖とは多糖の一種で、体内で結合組織(真皮層、関節軟骨、脂肪組織など)と呼ばれる部位に多く存在している生体分子です。
保水性が高く水を含むと膨張して体積が増えるので、皮膚を内側から押してハリを保つ作用があります。
ただし、分子量が大きく、肌に直接塗っても浸透しないため、塗るだけではたるみやシワを改善する効果はありません。
直接的に増やすには皮下注射で注入するしかありません。
余談ですが、ムコ多糖のムコ(muc)はラテン語で湿気や粘液を表す言葉なので、ムコ多糖を含む食品はヌルヌルしてるものやゼリー状の物が多いです。
ムコ多糖=プロテオグリカン+ヒアルロン酸
ムコ多糖は大きく分けると、プロテオグリカンとヒアルロン酸に分けられます。
プロテオグリカン
プロテオグリカンはタンパク質と多糖が結合したもので、結合しているタンパク質はEGFなどの成長因子の場合が多いです。
具体的な物質としては、コンドロイチン・コンドロイチン硫酸・デルマタン硫酸・ケラタン硫酸・ヘパラン硫酸・ヘパリンなどがあります。
プロテオグリカンについて詳しくはこちら
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸という言葉は誰しもが聞いたことがあるでしょう。
保水作用が非常に高いムコ多糖で、皮膚の真皮層で水を含み膨張することで、表皮を支えています。
ヒアルロン酸についてはこちらの記事で詳しく書いています。
本当に美容効果はあるの?
ムコ多糖は全般にどの分子も保水力が高いので、肌のハリを維持する機能があります。
ただし、上でも解説したように、分子量が大きいため、直接的に増やすには注射するしかありません。
では、美容医療以外でムコ多糖を増やすことはできないかというと、そうでもありません。
ムコ多糖の増やし方
ここからはどうすれば体内のムコ多糖を増やせるかを解説していきます。
摂取すればいいの?
ムコ多糖は海藻や動物の結合組織に多く含まれています。
野菜でもオクラのようなネバネバしたものには含まれています。
(食べ物のネバネバはたいてい水を含んだムコ多糖で、海藻から作られる寒天も水を含んだムコ多糖が固化したものです。)
ムコ多糖は、上のような食材やサプリで摂取することはできますが、
口から入れても結局、分子量が大きく一度消化して分子レベルでバラバラにしないと吸収できません。
食べた場合は、バラバラになったムコ多糖のパーツから体の中で組み立てる必要があります。
この組み立て作業をやっているのが線維芽細胞という細胞です。
線維芽細胞がムコ多糖を作る
プロテオグリカンやヒアルロン酸などのムコ多糖はじめコラーゲンやエラスチンなど肌のハリを担う生体分子の生産を一手に担っているのが線維芽細胞です。
線維芽細胞の活性化が肌のハリを保つには重要です。
そして、繊維が細胞を活性化させるのが成長因子の一つであるFGF(線維芽細胞成長因子)
まとめ:ムコ多糖を増やすには
ムコ多糖の減少はたるみやシワの原因になるので、ムコ多糖の量を保つことは美容に重要です。
十分なムコ多糖の量を保つには
- ムコ多糖を摂取する
- FGFを補給する
この2点が大事です。