レチノールは危険!?美容効果と危険性

アルベイズ梶原
レチノール美容液

こんにちは

アルベイズ梶原です。

今回は美容成分として最近、注目されているレチノールについて効果や作用のメカニズム、そこから考えられる副作用について解説していきます。

 

レチノールとは?

レチノールとは一言で言ってしまうと、ビタミンA(レチノイド)の一種です。

レチノイドというのはレチノールと類似した構造を持つ有機化合物全般を指す言葉です。

体内ではレチナールに変換され、光を検知する物質として主に網膜で働いています。

なので、不足すると暗いところで目が見えなくなる夜盲症になってしまいます。

詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが、レチノイドにはいずれも細胞分裂や分化を促進させる成長因子のような作用があります。

なので、成長因子そのものを含んでいるヒト幹細胞培養上清液とよく似た成分といえます。

また、以下のレチノール、レチナール、レチノイン酸などのレチノイドは共通して、紫外線を吸収する作用がありますが、紫外線を吸収するとたいてい分子が壊れてしまうので、レチノイドとしての細胞分裂促進作用は失われてしまいます。

また、紫外線を吸収すると、分子が不安定化して、周囲の生体分子と反応しやすくなるので、周囲の細胞にダメージを与える可能性もあります。

 

レチノールの構造と生物学的機能

有機化学を専攻していた者の性で、有機化合物が出てくると構造式を紹介せずにいられないので、載せているだけです。

よって、興味ない方はスルーしてください。

 

●レチノール

レチノールはこういう構造の有機化合物で、弱い成長因子様作用があります。

ウィキペディアより引用

吸収されると、体内では酸化されてレチナールという化合物に変換されます。

 

●レチナール

レチナールはこんな構造をしています。

ウィキペディアより引用

間違い探し並にちょっとしか変化していませんが、これだけの変化でも性質がかなり変わるのが面白いところです。

レチナールは特定の波長の可視光を吸収して分子構造が変化することで感光物質として働くようになります。

このレチナールに変換されると視物質として網膜で光を検知できるようになります。

また、レチノールにも成長因子様作用があります。

 

●レチノイン酸(トレチノイン)

これまた少ししか変わってないですが、レチノイン酸になると細胞の分化や増殖を促進する作用が高まります。

ウィキペディアより引用

 

レチノイドの美容効果 

レチノールは肌から吸収され

レチノール⇒レチナール⇒レチノイン酸

と変換されるごとに、美容効果が高まっていきます。

 

レチノイドは皮膚の細胞の細胞分裂を促進させるので、

  • ターンオーバーの促進によるシミ、くすみ、の改善
  • 皮脂分泌抑制によるニキビの改善
  • 線維芽細胞の増加によるシワの改善

などの効果が期待できます。

 

ターンオーバーの促進によるシミ、くすみ、の改善

表皮は死んだ細胞が積み重なっている角質層とその下の生きて分裂している細胞からできている顆粒層からなります。

顆粒層の細胞はレチノイン酸によって分裂が活発になります。

そして、顆粒層の細胞が増えると古い角質層はどんどん外側へ押し出されていきます。

このようなメカニズムでレチノイン酸はターンオーバーを促進します。

ニキビで傷ついている角質層も押し上げられ、剥がれ落ちてしまうので、ニキビの治療にもなります。

 

皮脂分泌抑制によるニキビの改善

レチノイドには皮脂腺に働きかけ、皮脂の分泌を抑制する作用があります。

ニキビの原因となるアクネ菌は皮脂を栄養としているため、皮脂が少なくなると増殖できなくなります。

なので、レチノイドはニキビ治療にも有効です。

また、ニキビは古い角質が毛穴を塞いでしまうことをきっかけに発症するので、ターンオーバーによって古い角質が除去されるのもニキビの改善を助けます。

 

線維芽細胞の増加によるシワの改善

肌のハリを保っているコラーゲンエラスチンヒアルロン酸といった生体分子はすべて線維芽細胞が合成しています。

なので、線維芽細胞が増えると必然的にコラーゲンエラスチンヒアルロン酸も増えます。

それによって肌にハリが出てくるというわけです。

 

副作用と欠点

非常に効果が高いレチノイドですが、副作用や欠点もあるので、注意してください。

レチノイドは効果と刺激性はトレードオフの関係になっていて、効果の高いものほど、刺激も強く副作用も強く出ます

また、大規模な臨床試験で「シワなどの光老化の改善があった」というエビデンスがあるのはレチノイン酸のみで、レチノール、レチナールには抗老化作用のエビデンスは今のところありません。(Retinoids in the treatment of skin aging: an overview of clinical efficacy and safety

ですが、レチノールは効果が温和だからこそ、化粧品にも配合でき気軽に使えるとも言えます。

 

A反応(レチノイド反応)

レチノイド(ビタミンA)にはA反応と呼ばれる副作用があります。

副作用というよりは肌が綺麗になる前の好転反応なのですが、強く出るとしばらく顔が見せられないくらいひどい状態になるので、注意が必要です。

具体的には

  • 赤み:炎症反応によって紅斑ができる
  • 皮むけ:古い角質が剥げて、皮が剥ける
  • 皮膚過敏:角質が薄くなるので、皮膚が刺激に反応しやすくなる
  • かゆみ:皮膚が過敏になっているので、かゆみを感じやすい

などの症状が出ます。

A反応は好転反応の一種なので、しばらくすると落ち着いて、古い角質が全て剥がれ落ちて、キレイな肌になります。

 

光に弱い

レチノイドは光が当たるだけで構造が変化するということは光によって化学結合が切れるような不安定な分子だということです。

可視光よりもエネルギーの高い紫外線が当たれば、分子そのものが壊れて、効果が失われてしまいます。

日中は外に出れば、完全に紫外線を避けるのは不可能です。

なので、朝の使用は避けた方が良いでしょう。

 

レチノールの種類と効果の違いと選び方

スキンケアアイテムに配合されているレチノールにはいくつかの種類があり、作用の強さが異なります。

目的や肌質に応じて適切に使うことが大事です。

 

レチノール誘導体

レチノール分子を化学的に加工することで安定化させ、化粧品に配合しても、分子が壊れにくくしたものです。

加工されている分、活性のあるレチノイドに変換され難く、レチノイン酸まで変換される割合が少ないので、効果は弱くなります。

そして、効果が弱い分、刺激も低いです。

効果は温和ですが、刺激性が低いので、

  • とりあえず試してみたい方
  • 肌が弱い方

向けのレチノイドといえます。

 

具体的な成分名としては

  • パルミチン酸レチノール
  •  酢酸レチノール

などがあります。

 

 純粋レチノール

レチノール誘導体がレチノールを加工したものなのに対し、純粋レチノールは加工されていないそのままのレチノールです。

そのため、熱や光で分子が壊れやすくなっています。

不安定で扱いが難しく、純粋レチノールを配合するには高い技術が要求されます。

確かな技術力を持つメーカーを選ぶ必要があるでしょう。

誘導体と違い、レチノイン酸に変換される割合も多いため、効果は高いですが、刺激も強くなります。

純粋レチノールは

  • レチノール誘導体では物足りない方
  • 肌が強い方

向けのスキンケアアイテムと言えるでしょう。

 

レチノイン(レチノイン酸)

医薬品成分に指定されているので、医療機関でしか使えません。

ターンオーバーを強力に促進させるので、数日で古い細胞(角質)が新しい細胞に押し出されて、剥げ落ちてしまい、見るも無惨な姿になります。

使用後しばらくは角質層が剥がれ続け、極端に角質層が薄くなるので、紫外線はもちろんのこと太陽光に当たることもできません。

しばらく外出できません。

僕はやったことないので、わかりませんが、大変なことになるようです。

レチノイン酸は最強のケミカルピーリング剤なので時間をかけて肌を完全リセットしたい方のための治療に使われるものになります。

  • ニキビ多発など肌の状態が極端に悪い方
  • 肌荒れを一度全部リセットしたい方

向けのレチノイドといえるでしょう。

 

合成レチノイド

上のようなレチノイドの構造をマネて人工的に合成したレチノイドもあり、効果が高められていたり、副作用が抑えられたりしています。

が、全て医薬品で、日本国内で外用薬として使用が承認されているものはないです。

 

使用中は保湿と紫外線対策をしっかり

レチノイド使用中は肌のターンオーバーが促進され、角質層が薄くなるので、紫外線のダメージがいつも以上に大きくなります。

また、細胞にとっては細胞分裂の最中に紫外線を受けるのが一番ダメージが大きいので、レチノイドで細胞分裂が活性化している間はいつも以上にしっかり紫外線対策をしましょう。

また、皮脂の分泌が抑えられるので、使用中は乾燥しやすくなってしまいますので、保湿をしっかりするように気をつける必要があります。

 

レチノール系の成分はどれも効果は高いが刺激も強め

全般にレチノイドは効果が高い半面、刺激が強いので使用法方には注意が必要です。

肌の弱い人がいきなり高濃度の純粋レチノールを使ったりすると、A反応が強く出て外出できない状態になってしまうリスクもあります。

肌の弱い方は穏やかなパルミチン酸レチノールなどレチノール誘導体などから始めてみるのが良いでしょう。

レチノイン酸に関しては皮膚科にいかない限り使えないので、ちゃんと管理してもらえる分、逆に安心かもしれません。


サプリは危険?

レチノールを含むビタミンAはサプリで摂取することもできますが、この場合、多くは眼に運ばれるので、肌に届く量はごくわずかです。

なので、美肌が目的であればサプリはあまり意味がありません。

ビタミンAに限らず、脂溶性のビタミンは体内から排出されにくく、蓄積してしまうため、サプリなどで大量に摂ってしまうと思わぬ副作用が起こることがあるので注意してください。

ビタミンA過剰症には

  • 抜け毛
  • 唇のひび割れ
  • 皮膚の乾燥

など、美容面では非常に困る副作用があります。

また、他にも副作用として

  • 頭痛
  • 骨が脆くなる
  • 頭蓋内圧亢進症

などがあります。

経皮では血液中まで到達するレチノールの量は極わずかなので、肌につける分にはこういった副作用が起こることはまずありません。

 

余談:レチノールという名前は網膜から来ている

英語で網膜は”retina”(レチナ)と言います。、

光を検知する物質で網膜に多く存在することから、レチノールやレチナールという名前がついています。

iPhoneのレチナディスプレイも語源は同じく、網膜から来ているのだと思います、多分。

日本語にすると”網膜画面”になってしまうので、ワケ分からないですが。

英語だと響きが良くて、ヒトの網膜のように繊細な表現ができるという印象があるので、この名前になったのだと、想像してます。

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