臍帯由来幹細胞とは?特徴とメリット・デメリット
アルベイズ梶原Share
こんにちは
アルベイズ梶原です。
一言に幹細胞と言っても由来は様々あります。
美容業界でよく使われているのは
- 臍帯由来
- 歯髄由来
- 脂肪由来
の3種類ですが、今回は歯髄由来の間葉系幹細胞(歯髄幹細胞)について掘り下げて解説していきます。
歯髄幹細胞の特徴とは?
歯髄幹細胞の前に歯髄とは何かを簡単に解説しておきます。
歯髄とは?

歯髄とは、一般に『歯の神経』と呼ばれている歯の内部にある組織です。
歯髄の中には幹細胞が存在していています。
この歯髄の中にある幹細胞が歯髄幹細胞です。
歯髄幹細胞の特徴
歯髄は発生学的に神経に近い組織なので、歯髄由来幹細胞は神経系への分化や、神経細胞の生存・修復を助ける成長因子の分泌能力が注目されています。
歯髄幹細胞は、神経系との関連や高い分裂能が特徴です。
また、乳歯の場合、ドナーが若いので幹細胞も若いと言えます。
一方で、脂肪組織のように大量の細胞を採取することはできません。
また、大量培養のために不死化という処理を行うことがあり、その点も注意が必要です。
臍帯や脂肪由来と比べて明確に美容効果が高いというエビデンスも現時点ではありません。
不死化とは?
歯髄幹細胞は細胞そのものの分裂能は高いもののとれる量が非常に少ないため、幹細胞培養上清液を大量生産するには向いていません。
そこで用いられるのが細胞を不死化する処理です。
通常、細胞は分裂回数に制限があり、無限に培養を続けることはできません。
(幹細胞の分裂可能な回数は通常の体細胞に比べると遥かに多いですが、それでも無限ではありません。)
そこで細胞を無限に分裂できるように改造するのが不死化技術です。
こうしてしまえば、無限に培養ができるので、大量生産しやすくなります。
ただ、注意が必要なのは不死化では本来歯髄幹細胞に存在しない遺伝子やウイルス由来の抗原を人為的に導入することです。
無限に分裂する歯髄幹細胞は本来存在しないので、不死化歯髄幹細胞の分泌物(上清液)が本来歯髄幹細胞が分泌していたものと同じなのかは分かりません。
影響は不死化の方法によって異なるので、気になる方はメーカーに問合せてみるといいと思います。
hTERT遺伝子を導入する手法は比較的正常な細胞に近く、不死化の影響は小さいと言われています。
一方、ウイルス由来のSV40 Large TやHPV E6/E7などを導入する手法は、代謝などが大きく変化してしまうため、分泌物への影響が大きいと言われています。
まとめ
最後に、歯髄由来幹細胞の特徴を簡単にまとめます。
メリット
- 神経系と関連が深く、神経細胞の生存や修復に関わる因子の分泌が注目されている
- 脂肪由来幹細胞と比べても高い分裂能を示すことが多い
- 乳歯などを利用する場合、若いドナー由来の幹細胞を確保できる
- 抜歯した歯など、本来廃棄される組織を利用できる
デメリット
- 歯髄自体が小さいため、一度に採取できる幹細胞の量が少ない
- 大量生産のために不死化細胞が使われることがあり、不死化方法によっては細胞の性質や分泌物が変化する可能性がある
- 脂肪由来や臍帯由来と比べて、美容効果が明確に優れているというエビデンスは現時点ではない
歯髄幹細胞にはこのような特徴がありますが、幹細胞培養上清液の品質は「どの組織由来か」だけで決まるものではありません。
実際には、どのように幹細胞を培養し、どのように品質を管理し、分泌された成分をどのように加工して製品化しているかも非常に重要です。
そのため「歯髄由来だから脂肪由来より優れている」といった単純な比較ではなく、最終的な製品の品質まで含めて判断する必要があります。
