そのコレステロール制限、意味ありませんー正しいコレステロールの下げ方ー

アルベイズ梶原
そのコレステロール制限、意味ありませんー正しいコレステロールの下げ方ー

こんにちは

アルベイズ梶原です。

 

今回は日本人のほとんどが勘違いしているコレステロールのお話です。

「コレステロール=悪者」という誤解を解いていきます。

コレステロールを控えれば血中コレステロールは下がる?

「卵を食べるとコレステロールが上がる」

「コレステロール値が高いから、コレステロールを控えなさい」

このような指導や情報を、これまで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

サラダ油も最近は「コレステロールゼロ」の表示がないものを探すのが難しいくらいですよね。

「コレステロールは悪いもの」というイメージは根強く染み付いているかと思います。

しかし、この常識は現在の栄養学・医学では大きく見直されています。

これを期に昭和の常識をアップデートしてください。

コレステロールゼロと表示されたサラダ油


結論:一般的には“ほとんど下がらない”

結論から言うと、食事からのコレステロール摂取量を減らしても、血中コレステロールは大きく下がらないというのが、現在の科学的コンセンサスです。

実際、複数の大規模研究やメタアナリシスにより、次のことが分かっています。

  • 食事性コレステロールと血中LDLコレステロールの相関は弱い

  • 1日100mgコレステロールを増やしても、LDLは平均2mg/dL程度しか変わらない

これは、卵1個(約200mgのコレステロール)を食べても、血中コレステロールへの影響はごくわずかであることを意味します。


なぜ摂取を減らしても下がらないのか?

理由はシンプルで、体内のコレステロールの大半は食事由来ではないからです。

  • 血中コレステロールの約70〜80%は肝臓で合成される

  • 食事からの摂取が減ると、肝臓での合成量が増える

  • 摂取が増えると、合成は自動的に抑制される

つまり私たちの体には、コレステロール量を一定に保つ強力な恒常性(ホメオスタシス)が備わっています。

そのためコレステロールの摂取量を減らしても体の中のコレステロール量が減ることはありません。

 

ヒトはコレステロールなしには生きていけない

ヒトの体がなぜコレステロールを作り続けるのかと言うとコレステロールがないとヒトは生きていけないからです。

コレステロールというのはステロール骨格を持った生体分子(脂質)の総称です。

コレステロールは体内で生命維持に不可欠は役割を担っています。

  • 細胞膜の材料(特に脳)
  • ステロイドホルモンの材料
  • ビタミンDの材料

つまりコレステロールがなければ、

  • 新しい細胞が作れない
  • ホルモンバランスが崩れる
  • ビタミンDが不足

などの問題が生じます。

コレステロール低下薬の副作用

LDLコレステロール低下薬(スタチン)で確認されている副作用はコレステロールが担っている役割が関係しています。

 

脳機能低下

コレステロールが不足すると脳細胞を作る材料が不足するため、スタチンには

  • 集中力の低下
  • 疲労感

などの副作用の報告があります。

 

ステロイドホルモン低下

ステロイドホルモンの代表はエストロゲン(女性ホルモン)とテストステロン(男性ホルモン)です。

そのため、スタチンには

  • 性欲低下
  • 活力低下
  • 更年期症状の悪化

などの副作用の報告があります。


例外:コレステロールに「反応しやすい人」もいる

ただし、すべての人に当てはまるわけではありません。

研究では、人は次の2タイプに分かれることが分かっています。

  • 低反応者(約70〜80%):摂取量を変えても血中値はほぼ変化しない
  • 高反応者(約20〜30%):摂取量に応じてLDLが上下する

この高反応者に限っては、「コレステロール摂取を控えると血中値が下がる」というエビデンスが存在します。


ただし、高反応者かどうかは実際に食事を変えて血液検査をしないと分かりません。


本当に重要なのは「コレステロール」ではない

血中コレステロールを上げやすい食事要因として、より影響が大きいのは次のものです。

  1. 長鎖飽和脂肪酸(バター、加工肉、ラード、菓子類など)
  2. トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど水添植物油)
  3. 過剰なカロリー摂取
  4. 食物繊維不足

つまり、「コレステロールを含む食品=悪」ではなく、脂質の質と炎症を抑えることが重要になります。

 

肥満から始まる動脈硬化

これらの食生活は肥満につながりやすく、肥満になると慢性炎症が起こりやすくなります。

慢性炎症が起こると全身の組織がダメージを受けます。

ダメージを受けた組織を再生させるには新たな細胞を生み出す必要がありますが、新たな細胞を作るためには細胞膜の材料であるコレステロールが必要になります。

そのため、慢性炎症があるとコレステロール値を上げる必要があります。

肝臓からコレステロールが多く供給されるようになります。

そして、放出されたコレステロールは炎症によって酸化されるため、動脈硬化の原因になります。

このようなメカニズムで慢性炎症はコレステロール値を増加させ、動脈硬化を促進しているのです。


ガイドラインもすでに変わっている

この科学的知見を受け、各国の栄養ガイドラインも変更されています。

  • 米国:2015年にコレステロール摂取上限(300mg/日)を撤廃
  • 日本:食事摂取基準(2020年版)で上限値を設定せず

代わりに重視されているのは、飽和脂肪酸の制限です。

ガイドライン上は飽和脂肪酸の制限となっていますが、正確には長鎖飽和脂肪酸の制限です。

例えば、飽和脂肪酸でもMCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は脂肪減少作用があることが確認されています。


まとめ

  • コレステロール摂取を控えても、誰でも血中値が下がるわけではない

  • 一般的には影響は小さく、体内合成の影響が大きい

  • 重要なのは炎症を抑える生活(≒肥満予防)

 

「昭和の常識」で食事を我慢するよりも、科学的に正しい知識で体を整えることが、健康にも美容にもつながります。

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