なぜストレスは健康や美容に良いのか?ーストレスを味方につける方法ー
アルベイズ梶原Share

こんにちは
アルベイズ梶原です。
今回は以前のアフリカからの地続きでストレスのお話です。
前回の記事はこちらです。
⇒成長因子の分泌量を増やす方法ー人類はライオンに追いかけられて進化してきたー
ストレスって何?
ストレスの話をするにあたってまず、生物学的なストレスの定義をお伝えしないといけません。
生物学的にストレスは
自己の生命を脅かすもの
となります。
ライオンはわかりやすいストレス
ライオンに追いかけられるのは、当然ながらストレスです。
エサになってしまえば死ぬのは間違いないので
紛れもない生命の危機です。
一方、ヒトを含む霊長類のストレスはこれより複雑です。
ヒトのストレスは複雑
オオカミのように群れを作って生きる(≒生存率を上げる)動物は少なくないですが、霊長類まで進化すると群れが社会にまで発展しています。
オオカミの群れとチンパンジーの群れを比較するとチンパンジーの群れの方が構成員が圧倒的に多いです。
これは集団の構成員が増えると役割分担ができて生存率が上がるからです。
敵(捕食者)の監視の専属担当がいれば、確実に敵の接近に気づけますし、食料収集専業のヤツがいれば、効率よく食料を集められます。
つまり、群れ(≒社会)に所属していることで生存率が上がります。
逆に言うと群れに所属していないと生存率が下がります。
なので、ヒトのように社会性の高い動物は孤独に対してストレスを感じ(=ストレスホルモンが分泌され)ます。
実はライオンに遭遇したときに分泌されるストレスホルモンと仲間はずれにされた時に分泌されるストレスホルモンは同じものです。
種類としては違うストレスなのですが、霊長類のように社会性の高い動物が登場してから日が浅く、進化が追いついてないので、同じ物質のままです。
害になるストレス
いわゆるストレスホルモンいくつもあるんですが、まとめると
血糖値の上昇
血圧の上昇
免疫の抑制
消化機能の抑制
などの作用があります。
眼の前に敵がいる時は最適な反応なのですが、、、
ヒトの場合、目の前に敵がいなくても、孤独や不安を感じるとこの反応が起こってしまいます。
しかも、現代では毎日通う職場でストレスを感じるというような形で慢性的にストレスホルモンの分泌が過剰になってしまいがちです。
そうなると
慢性的に血糖値が高い
⇒酵素が糖化されやすい
慢性的に血圧が高い
⇒心臓・血管系の病気に罹りやすい
慢性的な免疫力の低下
⇒様々な病気に罹りやすい
慢性的な消化機能不全
⇒消化不良による不調
というように体に良いことはありません。
ストレスで肌が荒れるメカニズム
美容面で直接的に関連するところでいうと、ストレスホルモン(アドレナリン)は表皮の血流を低下させます。
(緊張すると手が冷たくなるのはこのせいです)
血流が低下すると肌や毛根に十分な栄養が運ばれなくなってしまいます。
これが慢性化すると、肌は荒れ、髪の毛は細くなり、抜けていきます。
慢性化したストレスはこのように健康にも美容にもよろしいことはありません。
運動もやりすぎるとよろしくない
過度のストレスは健康を害します。
日常的に高強度の運動を繰り返しているアスリートは、風邪をひきやすいことがトレーナーの間では知られています。
おそらく、ストレスホルモンの作用で免疫力が下がった状態が続くからでしょう。
運動もストレスなので、やりすぎると健康を害します。
チアノーゼになるまで運動した翌日
ガチのアスリートが通うジムでパーソナルトレーニングを受けていたことがあるのですが、初日はチアノーゼになってしまいました。
失神はしませんでしたが、視界が真っ白になって倒れて、動けないのでしばらくジムの隅っこに回復姿勢で寝かされていました。
その翌日は全く動けず、メシも食べれませんでした。
強いストレスを受けると、体を回復させるためにストレスホルモンが体を休ませようとあらゆるやる気を奪います。
翌日は筋肉痛にはならず、筋肉痛が来たのは翌々日でした。
歳のせいかとも思いましたが、中程度の強度の運動だと今でも翌日に来るので、運動強度が強すぎたのが原因だったようです。
ちなみに、2回目以降は手加減してもらえるようになったので、倒れる事はありませんでした。
まとめると害になるストレスは次の2つです。
- 慢性的なストレス
- 過度のストレス
プラスになるストレス
ストレスが良いというタイトルなので、タイトル詐欺にならないようにこれから、ストレスの正の側面についてお話していきます。
プラスになるストレスで一番わかりやすいのは筋トレだと思います。
筋肥大のメカニズム
トレーニーの皆さまには釈迦に説法だと思いますが、筋トレで筋力が上がるメカニズムについて解説しておきます。
筋トレでは筋肉に負荷(ストレス)を与えて、筋原繊維を破壊しています。
そして、破壊された筋原線維を回復する過程で筋繊維が増強されます。
これは筋トレのストレスによって、成長ホルモンが分泌されるためです。
また、ストレスホルモンの一種であるコルチゾールは肝臓に働きかけて成長因子であるIGF-1の分泌を促す作用があることが分かっています。
ちなみに、気力を奪って行動できなくするのもこのコルチゾールです。
運動のように自発的に受けるストレスは強度のコントロールができるので、良いストレスといえるでしょう。
ただし、強度や頻度を間違えるとストレス過剰になってしまうので、気をつけましょう。
ストレスとの付き合い方
では、精神的なストレスや慢性的なストレスはどうすれば良いのかという話ですが、
ストレスは人を成長させるものだから、Come on!ストレス
という心構えでいるのが基本です。
詳しい話はまたどこかで。