コラーゲンを食べても意味がない理由ー本当にコラーゲンを増やす食品とは?ー
アルベイズ梶原Share
こんにちは
アルベイズ梶原です。
「美容にはコラーゲンを摂るといい」と世間ではよく言われていますが、これは残念ながら8割方間違いです。
なぜ間違いなのか?
何を食べればコラーゲンは増えるのか?
をこの記事では解説していきます。
今回は美容に興味がある方に配慮せず、細胞生物学全開で解説するので、結論を知りたい方は分からないところは飛ばして結論だけ読んでください。
8割以上趣味で書いている記事です。
コラーゲンとは?
まずは「コラーゲンとはなんぞや?」という基本をおさらいしておきましょう。
コラーゲンは皮膚の真皮層や骨、軟骨、血管などに多く存在する構造タンパク質です。
組織の土台となる分子で、3つのペプチド鎖が組み合わさって三重らせんになった分子です。
ペプチドはアミノ酸が数個~数万個つながったものです。
タンパク質も広くはペプチドの一種と言えます。
ハリにコラーゲンが大事と言われるのはコラーゲンが肌を内側から支えている土台になっているからです。
今回の話題でいくと、コラーゲンがポリペプチド(タンパク質)であることがポイントになってきます。
タンパク質は分解されてから吸収される
タンパク質は分子量が大きいので、食べてもそのまま吸収することができません。
つまり、コラーゲンを食べても、そのまま血流に入って肌のコラーゲンになるわけではないということです。
タンパク質は一旦、アミノ酸や小さなペプチド(ジペプチド、トリペプチド)に分解されてから吸収されます。
それから、そのアミノ酸やペプチドが血流に乗って各組織に運ばれ、コラーゲンとして合成され直します。
というわけで、コラーゲンをたくさん食べたからといって肌にハリがでることはあまり期待できません。
コラーゲンペプチドがコラーゲン合成を促進させる
コラーゲンペプチドは化学的にコラーゲン分子を加水分解したもののことです。
加水分解コラーゲン、低分子化コラーゲンとも呼ばれます。
加水分解コラーゲンにはCTP(Collagen Tripeptide)というトリペプチドが含まれています。
コラーゲン分子にはGly-Pro-Hypというアミノ酸配列が繰り返し出現します。
このGly-Pro-Hypの配列を持つトリペプチドがCTPです。
真皮層でコラーゲン産生を行うのは線維芽細胞ですが、このCTPが線維芽細胞に作用すると、in vitroでは
- 線維芽細胞の増殖・遊走の促進
- コラーゲン産生の促進
などが起こることが確認されています。
つまり、CTPは生体情報分子として働きます。
CTP濃度が上昇する
またコラーゲンペプチドを摂取すると1~2時間後に血中CTP濃度が上昇することが確認されています。
CTPは小腸上皮細胞の管腔側ではペプチドトランスポーターを通って、細胞内に入ります。
通常、小腸上皮細胞に取り込まれたペプチドは細胞内のペプチダーゼに分解されてしまいますが、CTPには特殊アミノ酸のヒドロキシプロリンが含まれているため、ペプチダーゼ抵抗性で分解されないのではないかと考えられています。
細胞内から血中へ移行するメカニズムはまだよくわかっていないようです。
コラーゲンVSコラーゲンペプチド
コラーゲンを食べた場合とコラーゲンペプチドを摂取した場合の比較は以下の通りです。
| コラーゲン | コラーゲンペプチド | |
| 消化 | 遅い | 早い |
| 吸収形態 | 主にアミノ酸 | 一部ペプチド |
| 血中CTP上昇 | 小さい | やや大きい |
| 生理学的意味 | タンパク源 | タンパク源+シグナル |
ヒトのプロテアーゼはアミノ酸を効率よく吸収するために、コラーゲンを限界まで細かく分解、つまりアミノ酸まで分解する性質が強いですが、
一方、コラーゲンペプチドはヒトのプロテアーゼではなく、植物や細菌のプロテアーゼを使ってわざとCTPが残るように分解しています。
その分、コラーゲンペプチドの方が血中CTPの上昇が大きくなります。
医療でのコラーゲンペプチドの利用
コラーゲンペプチドは骨折や褥瘡の治療に使用されることもあります。
コラーゲンペプチドに含まれるCTPによってコラーゲンの合成が促進され、回復が早くなるからです。
治療にはコラーゲンペプチドだけでなく、高タンパク食も組み合わせて用いられます。
現在のところ、コラーゲンペプチド単独で治癒期間が短縮したという明確なエビデンスはないようです。
結論
まとめると
豚足を食べるのは無駄ではない
食品由来のコラーゲンは体内でコラーゲンを合成する材料のアミノ酸にはなる。
コラーゲン合成を促進させる作用はゼロではないけど、あまり期待できない。
コラーゲンペプチドは期待できる
一方、コラーゲンペプチドはコラーゲンの合成を促進させる作用が確認されている。
しかし、サプリとして摂っても経口摂取だと劇的に血中CTPが上昇することはない。
それでin vitroと同じような線維芽細胞の活性化が起こるかは怪しい。
単独でも一定の効果はあるが、劇的ではない。
結局、高タンパク食
コラーゲン、コラーゲンペプチドがなくとも、高タンパク食でタンパク不足にならないようにしておけば、コラーゲンは増えるのではないか。
というのが個人的な結論です。
