サイボーグ化からのクラファン【アルベイズ誕生秘話5】

 前回、緊急手術で頭蓋骨を失ったところまでお話しました。

今回はサイボーグ化手術とようやくのアルベイズ誕生の話です。

 

これまでの開発秘話はこちらです。

1.婚約したら余命2年

2.左半身がない!?

3.幹細胞で人体実験

4.融資拒否&再手術

 

目次

  1. サイボーグ化手術
  2. ICUで工場へ発注
  3. Makuakeのクラウドファンディングで成功
  4. 幹細胞治療は継続
  5. 医師免許取得へ向けて勉強中
  6. 見た目で悩むのはもったいない

 

サイボーグ化手術

頭蓋骨がない状態でずっと生活するのは危険過ぎるので、頭蓋骨処分の3,4ヶ月後に頭蓋骨を挿入する手術が必要になります。

生まれた時から入っていた頭蓋骨は既にないので、人工のセラミックで代用します。

言ってしまえばサイボーグ化手術です。

既に僕は一部人間ではないと言っても過言ではありません(笑)

 

ICUで工場へ発注

既に融資を断られた上に第一弾製品の発売が遅れに遅れ、一刻も早く発売しないといけない状態だったのですが、突然の再手術(本当は再々々手術ですが)とサイボーグ化手術のせいで、製品の発注すらできていない状態で時間だけが過ぎていくことになってしまいました。

金融機関が貸してくれないなら、「クラウドファンディングしかないよね」ということになり、準備を進めていたのですが、準備中に頭蓋骨挿入サイボーグ化手術の日がやってきてしまいました。

そこでさらに遅れるわけにはいかなかったので、手術が終わり次第、ICUで工場への発注をかけるつもりでいたのですが、残念ながら佐賀医大病院は東京の病院と違ってICU内は電子機器使用禁止でした。

仕方ないので、ICU出たら個室に移るようにして、そこでノートPCで発注書を作成して送りました。

余談ですが、東京の病院ではICUでゲロ吐きながらメール書いてました(笑)

余談:佐賀と東京の格差

佐賀の特別個室料金は東京の通常個室料金の半額でした。

そのせいで特別個室が異常に安く見えて、つい特別個室でお願いしてしまいました。

ちなみに東京の特別個室料金は高級ホテルでした(笑)

Makuakeのクラウドファンディングで成功

そして、元々2021年の8月開催予定だったクラファンは遅れに遅れ、12月になってしまいました。

8月の頭まで僕は入院してたので、ほとんど進められてなかったので当たり前なのですが。

初めてのことだったので、ちゃんと集まるのか不安で手術前以上にドキドキしてたんですが、、、

蓋を開けてみれば、あっという間に目標としていた100万円を突破してしまいました。

あまりにも早かったので、共同経営者から「超えましたね」と連絡を受けて、画面をリロードしたら確かに超えていました。

 

クラファンの結果を知った金融機関は手のひらを返したように融資に乗り気に成り融資も受けることができて、アルベイズはなんとかスタートを切る事ができました。 

幹細胞治療は継続

一回の脂肪採取で幹細胞は6回投与できるので、その後も採取した分は定期的に投与して、計6回投与しました。

投与1回200万円なので、銀行の預金残高はカツカツになりましたが。

そのおかげかどうかは分かりませんが、2年だった余命を既に超えて現在に至ります。

ちなみに幹細胞治療は保険適用外の自由診療なので、決まった治療費がありません。

一回200万円は高いよ、と誰もが思うはずです。

もちろん僕も思いました。

しかし、200万縁は日本では最安水準の価格です。

他の東京のクリニックだと、1回500万とか600万とかします。

先生は引退

アルベイズユーザーの皆さまからよく「その再生医療認定医を紹介してもらえないか?」と頼まれるのですが、残念ながらそれは無理なのです。

というのは、先生は高齢で既にクリニックを閉めて、引退されてしまったからです。

医師免許取得へ向けて勉強中

医学部学士編入試験という医学部入学の裏技的システムがあります。

僕自身、医師免許を取ろうと思って調べるまで知らなかったのですが、「学士」の資格を所持(=大学を卒業)していれば、この医学部学士編入試験で、一回旧特進で医学部2回生からスタートできるのです。

僕は一度、京大を卒業しているので、出願資格があります。

そして、学士編入で入学すれば、医学部の1回生をスキップして2回生からスタートできるというメリットがあるのです。

1年分の学費を払わなくて良い分お得で、かつ早く医師免許が取得できます。

あと、入試科目がたいていの大学で自然科学、英語の2科目です。

つまり、一般入試で必要な数学とか国語を今更勉強しなくて済みます。

 

さらに問題がとてつもなく難しいです。

 一般入試だと問題はそこまで難しくありませんが、そのかわりその問題をミスなく正答しなければいけません。

一般入試の合格ラインはどこの医学部でも9割程度だと言われていますが、難問ばかりの学士編入試験では6割取れれば合格ラインだと言われています。

僕の場合、簡単な問題をミスなく解くのは苦手ですが、難しい問題をそれなりに解く方は得意です。

今更、数学とか勉強したくないのと自分の能力的に学士編入試験の方が向いている&学費を1年分払わなくて良くてエコなので、学士編入で医学部に入ろうとしてます。

 

上清液の仕入れには医師免許が必要

大きな理由はアルベイズで使用しているヒト幹細胞培養上清液が医療用規格のものなので、医師免許を所持していないと仕入れることができないのです。

現在は僕の治療をやってくれた先生が仕入れたものを僕らが売ってもらう形になっています。

おじいちゃんとはいえまだまだ健康そうなので当面は問題なさそうなのですが、もし先生に何かあった場合、アルベイズの生命線である高品質なヒト幹細胞培養上清液が使えなくなってしまいます。

粗悪なものであれば、どこからでも仕入れられますが、それでは「本当に効果のあるものを作る」というアルベイズの理念からは大きく外れてしまいます。

 

アルベイズを続けるために、というのが最初の理由だったのですが、せっかく医師免許を取るのなら、自分も治療してくれた先生のように再生医療認定医の資格を取って、自分でも幹細胞治療をできるようになるのが、次の目標です。

まず医学部に入らないと話にならないのですが、医学部学士編入試験も浪人中なので、医師免許の取得はいつになるか分からない状態ですが、体が動く限りは挑戦するつもりです。

 

見た目で悩むのはもったいない

僕自身、大学院生の時、自分の髪が薄くなっていることに気づき、自信を無くし、引きこもって大学院を中退した経験があります。

薄毛を治療する過程をリアルタイムで発信するブログを始めてから、ブログには外見の悩み相談が多く寄せられていました。

中には「髪が薄くなってきて、死にたい」というものもありました。

髪が薄くなったくらいで、と思うかもしれません。

僕自身は死にたいとまでは思いませんでしたが、それでも大学院に通えなくなるくらいには悩みました。

見た目に悩んで、引きこもったり、自殺したりするくらいなら、まず見た目をよくすればいい。

実際、僕も薄毛が治ってからは生きるのが楽になりましたし、社交的になったと思います。

ブログを読んでいた薄毛で悩んでいた方も多くは髪が増えたことで、前向きに人生を歩むことができているようです。

医学部だと「美容医療は命を救わないから、医療ではない」と考える教授が大半で、入試の面接で「美容外科医になりたい」などと言おうものなら学科が高得点でも落とされるくらいです。

しかし、僕自身、身を持って外見がいかに自信に影響を与えるかを知っています。

外見の悩みは重大な問題で、相談を寄せてくれた読者のように命に関わることもあります。

外見の問題はQOLを大きく低下させ、本人が不幸になるだけでなく、社会的にも大きな損失です。

本来社会に参加していたはずの1人がいなくなるわけなので。

「見た目なんて気にしなければ良い」というのはその通りなんですが、誰もがそう思えるほど強くはない。

やっぱり、他人からどうみられているのか気になりますし、できるだけ外見でよい評価をされたいものです。

外見がの悩みが気になって、自信を失っているのであれば、まず外見の悩みを解決すれば良い。

たいていの人はそれだけで、自信も戻ってきます。

今後も命が続く限り、アルベイズを通してその手助けができるように全力投球していくつもりです。

アルベイズ梶原

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