融資拒否&頭蓋骨喪失【アルベイズ誕生秘話4】
前回は幹細胞治療で復活してアルベイズを立ち上げようとしたところまでお話しました。
まだまだアルベイズは生まれません。
なかなかの難産です。
これまでの開発秘話はこちらです。
今回の目次
- 融資を断られ頓挫?
- 腫瘍悪化で再手術
- 頭蓋骨とのお別れ
- 脳みそ丸見え?
- ヘッドギアファッション
- いきなり倒産!?
融資を断られ頓挫?
事業を立ち上げるにあたり、融資を受けようとしたのですが、金融機関からは「そんなものが売れるわけない」と言われ、融資を断られました。
当面の運転資金は資本金と僕の個人貸付でなんとかすることにして、会社を立ち上げたのですが、、、
そこにさらにい追い打ちをかける事件があり、、、
腫瘍悪化で再手術
その後、九州の方でも病院に通って抗がん剤による治療や定期的な検査をしていたわけですが、どうやら腫瘍が悪化しているようだと検査で分かりました。
かなり特殊な検査で分かったので、おそらくグリオーマを専門にしている地元の大学病院でなければ、気づかずにそのまま悪化して死んでいた可能性もあります。
それで再手術をしようということになりまして、大学病院で2020年末に2度目の開頭手術を受け、年越しは家で過ごしたいので早めに退院したのですが、三が日が終わったころ、手術の傷が腫れているのに気づきました。
頭蓋骨とのお別れ
これはおかしい!と思って、病院に行ったら細菌感染が分かって、即日入院でもう一度頭を開けることになりました。
人生2回目の即日入院でした。
そして半年程度、頭蓋骨を外した状態で生活することになりました。
手術で外した頭蓋骨自体が細菌に汚染されているリスクがある上に固定するための人工物周りで細菌が繁殖するリスクもあるので、脳外科手術で細菌感染が分かった場合は、頭蓋骨を3ヶ月ほど外しておくのが普通らしいです。
頭蓋骨の右前1/4がない状態なので、半年ほど写真のようなヘッドギアを被って生活することになりました。
余談 脳みそ丸見え?
「ヘッドギア外すと脳みそ丸見え状態だったのか?」とよく聞かれたので、念のため説明しておくと、頭蓋骨は入ってなくても頭皮は縫い合わせてあるので、ヘッドギアをとっても脳みそは見えません。
ヘッドギアファッション
脳みそは見えなくても頭蓋骨プロテクトがない状態なので
頭をぶつける=脳みそをぶつける
ということになってしまいます。
よって、風呂はいる時と寝る時以外は常にヘッドギアを被っていないといけません。
2021年前半はこの写真のヘッドギアを被って半年間生活してました。
元々、うちの実家は僕の身長が180近くになることを想定した設計になってないので、気をつけないとすぐに頭をぶつけます。
ヘッドギアを被ってるとその分、頭のサイズが一回り大きくなります。
そのため、これまではぶつけない高さだったところにまで頭(というかヘッドギア)がぶつかるようになり、不便な思いをしました。
夏は暑いし。
超奇抜な見た目で、どこに行っても注目の的だし。
スタイリストさんに「ヘッドギアに似合うコーディネートはないか?」と聞いてみたら「さすがにそれは難しい」と言われてしまうし(笑)
いきなり倒産!?
人生3度目の開頭手術は無事に成功し、また細菌感染を起こしたら目も当てられないので、傷が完全に塞がるまで長めに入院することになりました。
結局、緊急手術で大幅に予定が狂ってしまい、会社を設立したものの、まったく事業は進められられず、運転資金だけが溶けていくというヤバい状況に陥りました。
退院後は頭蓋骨がなくても仕事はできるので、第一弾製品発売に向かって進んではいました。
しかし、一生ヘッドギア被って生活するわけにはいかない(というかそんな一生は全力で拒否したい)ので、捨てた頭蓋骨の替わりにセラミックで作った人工頭蓋骨を入れる手術が必要になります。
困ったことにその再々々々手術(4回目)がクラファンの準備が佳境に入る時期としっかり被ってしまい、発売はさらに遅れることになってしまいました。
元々、8月にクラファンをやる予定だったのですが、8月はまだ僕が入院していたので、土台無理なことでした。
次回は第5話「サイボーグ化手術とクラファン」の話です。
ようやく明るいお話になります。